「ソーラーシェアリングの教科書」的な一冊を
再編集した転載記事で読める!
2017年9月に発行された、サステナブルな「食」と「エネルギー」の雑誌『EARTH JOURNAL(アースジャーナル)』vo.05は、日本で初めて、まるごと一冊「ソーラーシェアアリング」大特集を展開。発売以来、導入を検討している方々や企業などから注目を集め、ソーラーシェアリングの“教科書的な”雑誌として、大きな反響を呼びました。
制作の段階から連携を重ねてきた当サイトでは、発行元の許諾を受けた上で、その充実した中身を一部再編集しながら、転載しています。
[第一特集]
日本の風景の中に
どんどん、
ソーラーシェアリングが。
畑の上の太陽光発電「ソーラーシェアリング」がいよいよ日本中に広がってきました。農業とエネルギーを支えると言われるその実態を各地に取材して見えてきたのは、多様なあり方だけでなく、地域と暮らしを豊かにするその本質でした。大充実の特集です!
持続可能な社会へ 農業とエネルギーを支える
いま、日本各地の風景の中に、どんどんソーラーシェアリングが広がりはじめています。
“農業とエネルギーの未来を切り拓き、太陽光発電の可能性を飛躍的に拡大する”、“日本中の農地で活用できる経済的な太陽光発電技術”、“地域農業再生の切り札”――威勢の良いキャッチフレーズと共に、日本に生まれた新しい自然エネルギーの技術が各地で広がりはじめているのです。
そんな今だからこそ、私たちはソーラーシェアリングの本当の価値を伝えなくてはと思い、この特集をつくりました。それは、ソーラーシェアリングに含まれる、目の前のエネルギーとその経済性を超える「普遍的で持続可能な社会への大きな可能性」です。
ソーラーシェアリングは、農業を支え、エネルギーを身近にし、経済や雇用を活性化し、エコロジカルな暮らしや地域をつくるインフラとなります。自然も農業もエネルギーもエコロジーも、この星の全てのものが繋がっていることを学び、その本質的な効率を高める知恵と技術です。
そういう意味でソーラーシェアリングは、農業とエネルギーが、大地とお日様と空が、地球と太陽が私たちとつながっていく豊かな世界の入口でもあります。
特集プロデューサー 鈴木幸一
(※本文再編集)
CHAPTER 01:基礎知識
ソーラーシェアリングって そもそも何なの?
ソーラーシェアリングは、別名「営農型太陽光発電」とも称される。耕作地の上に太陽光パネルを設置して、1つの土地で農業と発電事業を同時に行おうという仕組み。このコーナーでは、そんなソーラーシェアリングの基礎知識を「仕組み」「作物」「意義」「売電の仕組み」「農水省の制度」という5つの項目で噛み砕いて解説しています。
農作物をつくりながら、電気までつくってしまう──それが、これからの農業スタイル「ソーラーシェアリング」だ。太陽の恵みを余すところなく活かし切る、環境調和型システム。そこには、様々な日本の課題を解決する、大いなる可能性が満ちている。
CHAPTER 02:実践レポート
ソーラーシェアリングのいまがわかる!
ソーラーシェアリングはいま、どんなところで、どんなふうに活用されているのでしょうか? 全国の農家さんたちを取材したら、農業や地域を豊かにする、思わぬ効果と活用方法が見えてきました。日本各地から、8地域の取り組みについてレポートします。
REPORT 01 宝塚すみれ発電(兵庫県宝塚市)
地産地消をもっと楽しむ場所へ 市民発! ソーラーシェアリングの里/兵庫県宝塚市(1)
地産地消をもっと楽しむ場所へ 市民発! ソーラーシェアリングの里/兵庫県宝塚市(2)
REPORT 02 いすみ自然エネルギー/藤江農園(千葉県いすみ市)
シェアした陽の光でブルーベリー! 相性抜群で、他地域への普及にも貢献。/千葉県いすみ市
REPORT 03 ワクワクソーラーファーム(広島県東広島市)
元ファイナンシャルプランナーの農家が実感。資産運用としてのシェアリングの価値/広島県東広島市
REPORT 04 ソーラーシェアリング上総鶴舞(千葉県市原市)
世界が注目するソーラーシェアリングの先駆け 営農・発電・地域活性化で4年間の実績が光る/千葉県市原市
REPORT 05 水田ソーラーシェアリング(秋田県井川町)
研究者、パネルメーカー、施工会社の 共同で実現した水田でのシェアリング/秋田県井川町
REPORT 06 南相馬ソーラーヴィレッジ(福島県南相馬市)
次世代に農地を残したい━━ 地域の未来を賭けたソーラーシェアリング/福島県南相馬市(1)
次世代に農地を残したい━━ 地域の未来を賭けたソーラーシェアリング/福島県南相馬市(2)
次世代に農地を残したい━━ 地域の未来を賭けたソーラーシェアリング/福島県南相馬市(3)
REPORT 07 KTSE(福島県川俣町)
ソーラーシェアリングの導入で 兼業農家から専業農家へ/福島県川俣町(1)
ソーラーシェアリングの導入で 兼業農家から専業農家へ/福島県川俣町(2)
REPORT 08 アグリパークいわき(福島県いわき市)
太陽を追って動く、日本最大級の 「追尾式」ソーラーシェアリング/福島県いわき市
INTERVIEW ファームドゥ/岩井雅之氏
地域経済の発展にも大きく貢献
太陽光が農業に与える「収益」の力
いち早くソーラーシェアリングを導入し、運営を続けるファームドゥ。 代表の岩井氏に発電と農業による地域社会への貢献について伺った。
第二特集
BIG PROJECT
匝瑳メガソーラーシェアリング
農地創出プロジェクトの全貌
市民エネルギーちば/農業生産法人Three little birds
緑豊かな農地の上に、大規模な太陽光発電設備が誇らしげに並んでいる。その規模は1MW(メガワット)。ソーラーシェアリングとしては、日本最大級だ。しかもこのメガソーラーは、決して環境を破壊しない。それどころか、地域の悩みの種だった「耕作放棄地」を美しい農地に変えてしまった。「農地創出」を実現する、究極の環境調和型メガソーラーなのだ
<特集>匝瑳メガソーラーシェアリング 農地創出プロジェクトの全貌(1)
<特集>匝瑳メガソーラーシェアリング 農地創出プロジェクトの全貌(2)
匝瑳プロジェクトを支えた企業たち
WWB株式会社/千葉エコ・エネルギー株式会社/城南信用金庫
匝瑳メガソーラーシェアリング発電所の成功を語るにかかせないのは、 事業者の想いに共感し、名乗りをあげたパートナー企業たちの協力だ。 一大プロジェクトを完遂させた各企業は、その経験をもとにいま、さらなる取り組みを始めている。
<特集>匝瑳プロジェクトを支えた企業たち(2)千葉エコ・エネルギー
特別対談
小泉純一郎×津田大介
日本には、ソーラーシェアリングが必要か?
脱原発を訴える小泉純一郎元首相は、 ソーラーシェアリングが日本のエネルギー政策で どんな役割を果たすと考えるのか。 ジャーナリストの津田大介氏が、その答えを引き出す。
はじめよう、農業×エネルギー
ソーラーシェアリング 導入Q&A
ソーラーシェアリング、やってみたいけど…… 何から、どう手を付けたらいいか分からない。 農作業のこと、発電設備のこと、お金のこと、 疑問はどんどん湧いてきます。 でも、ご安心ください。 ソーラーシェアリング導入の疑問に答えます!