地産地消をもっと楽しむ場所へ 市民発! ソーラーシェアリングの里/兵庫県宝塚市(2)

「すべては安心安全な食と暮らしのため」。一人の勇壮な女性が目指したのは、クリーンエネルギーを生み出す市民発電所。その熱意が伝染し、この町はソーラーシェアリングの里になりつつある━━そんな「宝塚すみれ発電」紹介の2回目。

何もなかった土地にソーラーシェアリングができたことで、人も集まり、地域経済の活性効果を感じています。

「西谷ソーラーシェアリング協会」の共同代表で、市民農園のオーナーでもある古家義高さんは、「株式会社宝塚すみれ発電」の井上さんに誘われて2015年8月よりソーラーシェアリングをスタート。売電収入を得ながら、ソーラーパネルの下の農地は新規就農者に無料で貸し出しているという。「設置には営農の継続が条件。農作業がツラい高齢者は、新規就農を目指す若者に提供すれば、まさにWin-Winです。仲間を増やして、西谷地区をソーラーシェアリングの里にしたい」と意気込む。また、新規就農者が作る有機野菜は「みずみずしく、味が濃い」と評判だそうで、大手百貨店などとも取引されているという。 「ソーラーシェアリングによる地域経済の活性効果は大きい。今まで何もなかった地域に6基が立ち、発電して、新しい住人も増えているんですから」と、井上さん。

その熱意は、行政にも波及していく。嘆願書の提出や話し合いを経て、体制が少しずつ変化。宝塚市に「新エネルギー推進課」が新設され、基本条例を制定。さらに兵庫県では、地域主導型再生可能エネルギー導入促進事業が創設され、地域団体に対し技術的支援を行なっているほか、現在では3000万円まで無利子の貸付を行っている。

「自治体によって対応は異なると思いますが、諦めないで交渉してほしい。『こんな例がある』って、ここの事例を伝えてもらえたら。ノウハウを聞かれれば私たちは惜しみなくお教えしますよ。全国に広まってほしいですから」。 市民主導型のエネルギー革命は、これからも続いていく。

株式会社宝塚すみれ発電 takarazuka-sumire.com ☎0797-26-6004

 

市民農園にて。右から西谷ソーラーシェアリング協会の古家義高さん、株式会社宝塚すみれ発電の井上保子さん、新規就農者の柴田邦雄さん。

 

全国から見学希望者が訪れる。(※編注:メインで使用した写真は訪れた見学者との記念写真)

 

柴田さんは、「パネルの影響は感じない。日陰があることで作業もしやすい」と話す。

 

新規就農者の柴田さんが作ったトマト。(写真提供:柴田邦雄さん)

 

ソーラーシェアリング設備は宝塚すみれ発電所が、市民農園は古家さんが経営する「KOYOSI農園」が管理運営。

 

DATA
宝塚すみれ発電所 第4号

場所:兵庫県宝塚市
設備容量:46.8kW
土地面積:900㎡
導入年月日:2016年4月12日
導入費用:約1700万円
年間の売電収入:約170万円
パネルの下で育てている作目:サツマイモ

(「アースジャーナルvo.5」より転載)

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