本特集は、「匝瑳メガソーラーシェアアリング第一発電所」のプロジェクトに際して中心的な役割を果たした「匝瑳ソーラーシェアリング」椿茂雄代表と「市民エネルギーちば」東光弘代表、さらには発電所下の営農を担う農業生産法人「Three little birds」の若き就農者2人へのインタビューで構成される。
プロジェクト発足のきっかけや地域支援のスキーム、生産者目線で語られるソーラーシェアリング…本格的なものとしては日本初となった巨大プロジェクト「匝瑳メガソーラーシェアリング」の全貌とは?(全2回)
<特集>匝瑳メガソーラーシェアリング
農地創出プロジェクトの全貌
緑豊かな農地の上に、大規模な太陽光発電設備が誇らしげに並んでいる。その規模は1MW(メガワット)。ソーラーシェアリングとしては、日本最大級だ。しかもこのメガソーラーは、決して環境を破壊しない。それどころか、地域の悩みの種だった「耕作放棄地」を美しい農地に変えてしまった。「農地創出」を実現する、究極の環境調和型メガソーラーなのだ。
[市民エネルギーちば]代表 東光弘さん/[匝瑳ソーラーシェアリング]代表 椿茂雄さん
目指したのは地域の問題解決 その先にある22世紀のムラづくり
地域のお荷物になりかけていたその土地は、いまでは大きな自慢の種だ。2017年4月に誕生した「匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所」は、本格的なソーラーシェアリングとしては日本初の1MW級大規模太陽光発電所。そしてなにより、耕作放棄地だった土地を、農地として再生させることに成功した日本随一の事例なのだ。
[農業生産法人Three little birds]齋藤超さん/佐藤慎吾さん
太陽光パネルの下に若手農家が集う ここには農業を誇れる取り組みがある
Three little birdsは、匝瑳市内で有機農業に取り組む若手農家らによって、ソーラーシェアリングの普及をサポートするために設立された。今回のメガソーラーシェアリングができる前から、「市民エネルギーちば」が手掛ける各種ソーラーシェアリングで耕作を請け負ってきたのだ。その流れがあったからこそ、大規模な耕作放棄地を農地に戻すという前代未聞の取り組みにもチャレンジすることができたのだろう。
photo: Kumiko Saotome text: Kiminori Hiromachi
(「アースジャーナルvo.5」より転載 ※一部再編集)