<特集>匝瑳メガソーラーシェアリング 農地創出プロジェクトの全貌/匝瑳プロジェクトを支えた企業たち(3)城南信用金庫
匝瑳メガソーラーシェアリング発電所の成功を語るにかかせないのは、 事業者の想いに共感し、名乗りをあげたパートナー企業たちの協力だ。 一大プロジェクトを完遂させた各企業は、その経験をもとにいま、さらなる取り組みを始めている。
[城南信用金庫]
融資の活用のしやすさが、 ソーラーシェアリング普及のキーワード。
ソーラーシェアリングは日本のエネルギーと農業の未来の切り札だ──こう力説する城南信用金庫の吉原毅顧問に、ファイナンスのポイントついて話を聞いた。
城南信用金庫 顧問 吉原 毅さん
今回の千葉県匝瑳市のメガソーラーシェアリングは、今後自然エネルギーを活用していく上で、非常に重要なプロジェクトです。
すでに世界は脱原発の流れですが、日本の政財界はいまだに固執しています。さらに、狭い国土では太陽光発電所を設置できる土地がないという意見もあります。
しかし、農地は全国で約460億㎡あり、すべてでソーラーシェアリングを導入すれば原発1840基分という莫大な電力をまかなえる計算です。しかも、すでに開発済みで自然破壊もありません。
ただし、ソーラーシェアリングを導入するにあたっては、いくらかのまとまった費用が必要になります。特にメガ案件では地権者、耕作者、電力事業者の大規模な連携が必要です。これまで農家の方は、農業の自然災害のリスクの大きさなどから、一般の金融機関から融資を受けるのが難しかったという実情がありました。しかし、事業資産だけでなく、関係者がその地域にどんな想いを持って事業に取り組もうとしているのか。そうした数字に表れない部分を見極めることが、ファイナンスをするに当たってとても重要だと考えています。城南信用金庫はその地域の信用金庫などと協力しながら、農家さんの資産だけで融資の可否を判断するのではなく、誰でもソーラーシェアリングを導入できる仕組みをつくっていきたいと考えています。
今回、様々なハードルを乗り越えながら、当金庫なりのファイナンススキームを作り上げました。このノウハウを基に、今後もソーラーシェアリングの普及を支えていきます。
月額払いでOK!? ソーラーシェアリング導入の ハードルを下げる 仕組みが登場
「借金に抵抗がある」「機械が壊れたらどうするのか」──そんな農家の方々の不安を解消すべく、城南信用金庫では関連会社を通じてソーラーシェアリングのリースを始めた。自己資金が不要で全ての設備を借りられる上に、故障しても業者が修理するためメンテナンスフリー。20年間の発電を維持できるため、事業計画を立てやすいというメリットもある。例えば、初期投資額1500万円の設備を20年間、月々9万500円で借りれば約1000万円の利益が見込めるという。
城南信用金庫
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illustration: Tomoyuki Okamoto photo: Daisuke Tsuduki text: Kousuke Ooneda
(「アースジャーナルvo.5」より転載 ※一部再編集)