「八幡芋」の産地でソーラーシェアリング 導入予定の農家さんに聞く

山梨県甲斐市で兼業農家を営む金丸寛さんご夫妻は、高齢化や担い手不足で未利用農地や遊休地が増えていくことに危機感を覚え、近場の空いている土地の耕作も手伝うようになったという。生まれ育った地域の衰退をなんとかしたいという思いも強かった。

そんな金丸さんが今、導入を検討しているのが、ソーラーシェアリング・システムを備えたビニールハウスだ。

WWBの提案するソーラーシェアリング・システム搭載型のビニールハウス ※写真はイメージ

農業でちゃんと生活できる手段を

金丸さんは、自身の土地で米や野菜などの作物を育てるほかにも、若い新規就農者の指導を行ったり、奥様と一緒に地域のグループで収穫した新鮮な作物を販売する小さな市場を運営したり、単なる農業だけではなく、地域の活性化を目指して多くの活動を行っている。

「地域の農業をなんとかするためには、経済的な安定が不可欠です。私たちは高齢でもありますし、この先長くやっていけるとは限りませんが、幸いなことに、最近では若い方が就農もされている。これから就農を希望するそういった若い世代のためにも、農業そのもので生活できるような手段があれば、それを探して先鞭をつけ、伝えていければと考えていました」(金丸さん)

以前当サイトでも紹介したハウスメーカー、ヤマナカ産業の山中さんは、太陽光発電の総合メーカーWWB山梨試験所に協力しながら、地元で知り合いの農家さんにも、ソーラーシェアリングの情報を伝えていた。付き合いのあった金丸さんもそんな山中さんが教えてくれたソーラーシェアリングに、ピンときたのだという。

 

「この辺りは、武田信玄の時代に釜無川が決壊して土壌が豊かになったと言われています。特産の『八幡芋』(※当地産の里芋の名)もそうした土壌のおかげです。せっかく生まれた土地ですし、そうした作物を残していくためにも、地域の農業振興に貢献できればと考えています」(金丸さん)

 

モデル的な施設で実証して、若い世代に自信を持って伝えていきたい

「WWBさんに色々お話も伺って、最終的な検討をしている段階です。費用がかかりますし、子供達に負の遺産を残すわけにもいきませんから、不安が大きいのも事実です。しかし、できればここにモデル的な施設を作って、若い人たちにお話するときに、自信を持って『大丈夫だよ!』と言えるように実証できればいいなと。ビニールハウスなら農繁期・農閑期の区別なく土地を活用できるので、その分収益も上がるはず。売電収益のサポートがあれば尚更です」(金丸さん)

ソーラーシェアリングを搭載したビニールハウスを使った“食べていける農業モデル”の実現に向けて、着々と検討を進めてきた金丸さん。ハウスの中で作る作物は、まだ決めていないそうだが、導入を決定したら、若い新規就農者の仲間とも相談しながらやっていきたいという。

「私たちは、この地でこの歳まで生きてきたので、今度はこの土地に私たちが返すだけ。せっかくですから、できるだけ若い人たちに参加してもらえれば、少しはそんな役割も果たせるかな、と家内と話しているんです。兄弟には、今まで働いてきたんだから、夫婦であちこち旅行したりすればいいのに…なんて言われるんですが(笑)」(金丸さん)

今回金丸さんが導入を検討しているのは、WWBの提案するソーラーシェアリング・システム搭載型のビニールハウス(内側から見た様子/※写真はイメージ)。同社独自の超軽量ソーラーパネル「マクサライト」の特徴を活かし、ビニールハウスの上に骨組みごとパネルを被せるように設置するタイプのものだが、天候や気温の影響を受けにくいビニールハウスの利点を活かしつつ、太陽光発電による売電収益を見込める、まさに“持続可能な新しい農業”の一つのカタチだ。

金丸さんに限らず、ソーラーシェアリング自体がまだまだ実証が必要な段階にあるのは事実だが、導入事例が全国でどんどん増えているのもまた事実。当サイトでは、今後もこうした新技術や導入者の意見を読者にお届けしたいと考えている。

 

※WWBのソーラーシェアリング・システムの詳細については、下記の記事を参照ください。

WWB Solar山梨太陽光試験所(1)見て、触って、体験できる展示場

WWB Solar山梨太陽光試験所(2)新システム開発エピソード

 

※情報については、こちらまでメールでお寄せください。

solarsharingweb@gmail.com

 

 

 

 

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