韓国営農型太陽光協会、日本のソーラーシェアリングを視察

ソーラーシェアリング推進連盟は、去る10月9日、韓国のソーラーシェアリング普及団体である「韓国営農型太陽光協会」の日本視察団を受け入れ、千葉県匝瑳市飯塚地区および同千葉市大木戸の大木戸アグリ・エナジー1号機の視察を行った。

今回の視察は、韓国側からの打診に応じる形で実現したものだ。

連盟によると「韓国営農型太陽光協会」とは、韓国でソーラーシェアリングを普及するために立ち上げられたばかりの組織で、ソーラーシェアリング推進連盟を日本におけるカウンターパートとして捉えており、ソーラーシェアリングにおいて先行している日本の知見を韓国での普及政策に活かすため、推進連盟とミーティングの場を持ちたいと事前の打診があったとのこと。

 

では、そもそも韓国における現在ののソーラーシェアリング事情とは、一体どういったものなのだろうか?

韓国では、2016年からソーラーシェアリングのテストプラントの導入が始まっており、政府計画では2030年までに10GWのソーラーシェアリングを導入することになっているのだという。日本でいう低圧連系が100kWまでなので、この100kW規模の設備を農村各地に設置。まずは40MW(100kW×400基)の実証プラントを政府予算で建設していくそうだ。

これを受けて、「韓国営農型太陽光協会」では、国内のソーラーシェアリングの設計ガイドラインや認証システムの作成や、作物の品質管理のほか、日韓での共同研究も行っていきたい意向とのこと。

風当たりの強い韓国太陽光発電事情

しかし、実は韓国国内では、太陽光発電事業における風当たりが強く、ソーラーシェアリング普及の環境は決して好ましいものではない。

視察に訪れた「韓国営農型太陽光協会」の説明では、韓国ではまず太陽光発電自体がまだ5GWしか導入されておらず、それも農村に多く設置されたこともあって、乱開発などネガティブイメージが強いという。しかも、建物の屋根にPVを設置するとFITが1.5倍という制度を設けたところ悪用例が多発、畜舎も設置可能となったため、農地に謎の小屋が乱立する事態を招いてしまったとか。そうした理由から、発電所自体に国民の拒否反応があるため、原発も太陽光も同じように嫌われる、いわば“迷惑施設扱い”になってしまっているらしい。また各地の送配電網が脆弱で、系統を管理している韓国電力公社(KEPCO)がソーラーシェアリングへの投資を渋っている状況なのだとか。

協会では今後、今回の視察も踏まえた上で、推進連盟を日本側パートナーとして、中長期的に調査事業や研究などを行っていきたい方針とのこと。

ソーラーシェアリング推進連盟代表の馬上氏は語る。

「韓国では2015年頃からソーラーシェアリングの導入検討が始まったと聞いており、これまで当連盟の長島最高顧問の実証試験場にも韓国から何度か視察団を受け入れていました。農業振興や農地の保全と太陽光発電の拡大をどう図っていくかというのは、日本に限らずアジア各国でも共通の課題となっていると認識しており、今回の韓国営農型太陽光協会との連携を通じて、日本発の技術であるソーラーシェアリングを諸外国に展開する契機にしていきたいと考えています。」

 

日本でもようやく2000件に近い施設ができ、今後はさらに増加傾向が見て取れるソーラーシェアリングだが、お隣の韓国では果たしてどのような発展を見せるのか──今回交流を開始した二つの組織の果たす役割と、それに対する期待は少なからず大きいといえよう。

 

 

 

 

 

 

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