ソーラーシェアリング導入Q&A/Q.08 導入費用はどのくらい?〜 Q.09 自己資金なしで始められる?

始めよう、農業×エネルギー!/ソーラーシェアリング導入Q&A(8-9)

ソーラーシェアリング、やってみたいけど…… 何から、どう手を付けたらいいか分からない。 農作業のこと、発電設備のこと、お金のこと、 疑問はどんどん湧いてきます。 でも、ご安心ください。 ソーラーシェアリング導入の疑問に答えます!

A.08

ソーラーシェアリングを構成する設備機器[太陽光パネル・パワーコンディショナ・架台(支柱)等]の価格は年々着実に下がっており、発電設備導入に要する費用は、以前よりだいぶ安くなっています。

パネルや架台の種類によって金額に幅はありますが、ソーラーシェアリングの導入コストは20万円台前半~30万円/kWくらいという現状です。仮に50kWの発電設備をつくるとしたら、約1,200~1,500万円という計算になります。

この50kWという発電設備は、一般家庭の屋根上の太陽光発電を12軒分くらい合わせたほどの規模。これに要する土地面積は、耕作する作物にもよりますが、およそ1100~1300㎡(遮光率33%になるよう太陽光パネルを設置した場合)です。

 

A.09

はい。最近ではソーラーシェアリングのために融資をしてくれる金融機関も増えてきました。一般に太陽光発電でつくった電気は、国の制度によって一定の価格と期間での買い取りが約束されているので、金融機関は安心してお金を貸してくれます。ただ、ソーラーシェアリングの場合は、少し事情が異なりました。

事業を開始しても3年ごとの見直し(農地一時転用の再許可)が必要なため(※)、営農が継続できず事業が中断してしまうリスクがあるとして、金融機関も慎重にならざるを得なかったのです。

※編注2018年5月に改正が行われ、現在では条件を満たすものについては一時転用期間は10年に延長されています。詳しくはこちら

しかし、ソーラーシェアリング案件が増えるにつれ、こうした事情も変わってきました。日本政策金融公庫や信用金庫を中心に、リスクを織り込んだうえで融資を引き受ける事例が増えてきたのです。

なかでも、自然エネルギー事業のサポートに積極的な金融機関として知られる城南信用金庫は、ソーラーシェアリングのための資金をリースするという新しい仕組みを構築し、営農型発電を後押しする姿勢を打ち出しています。これを利用すれば、自己資金ゼロでも、安心してソーラーシェアリングに取り組むことができるでしょう。



監修 馬上丈司
text: Kiminori Hiromachi

(「アースジャーナルvo.5」より転載 ※一部再編集)

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