「中津川THE SOLAR BUDOKAN2018」開催! ソーラーシェアリングを音楽ファンにもアピール

9月22日、23日の2日間、岐阜県中津川市で今年7回目(当地では6回目)となる音楽フェス「中津川THE SOLAR BUDOKAN2018」が開催された。初日スタート間際の1時間ほどは雨に見舞われたものの、その後は雨も上がって日もさし始め、2日目にはこれ以上ない秋晴れに恵まれて、まさにその名にふさわしい、太陽のエネルギーが降り注ぐフェスとなった。

“新しい常識”を創り出した画期的音楽フェス

ロックバンド「シアターブルック」のボーカル/ギター担当の佐藤タイジ氏を発起人として、当フェスが始まったのは東日本大震災の翌年、2012年12月のこと。原発事故によって一般にもこれからのエネルギー選択について関心が高まる中、「太陽のエネルギーだけを使って武道館でロックコンサートを開く」という前代未聞の出来事に、当時多くの注目が集まった。

以来、場所を岐阜県中津川に移して毎年開催されてきた当イベントは、会を重ねるごとに規模を拡大、今や2日間で3万人を超える来場者が集まるビッグイベントとなっている。

もちろん、コンサートで使用される電気は、100%グリーンエネルギー。会場内に無数に設置されたソーラーパネルで発電された電力をメインに、蓄電池、バイオディーゼルエネルギー、グリーン電力証書なども活用し、特に(中津川で)6回目となる今回は、5つあるうち4つのステージが、音響のみならず照明まで太陽光発電でまかなわれているという。

環境に優しいだけではなく、系統電源に比べて音質もクリアで、来場者はもちろん、出演アーティストたちにも大好評だ。

7年前には到底無理と言われたソーラーエネルギーによるコンサートは、技術革新にも後押しされつつ、回を重ねるごとに進化し、大成功を収めている。

今年は、ソーラーシェアリングもお目見え

そんな中津川THE SOLAR BUDOKAN2018の会場に、今年はソーラーシェアリングがお目見えした。

RESILIENCE(レジリエンス)ステージの目の前に、NEXUSのソーラーシェアリング・システムが設置され、今回は農作物ではなく観客を過度な日差しから守る役割も果たしていた。

 

WELCOMEステージでは、トークショーも

来場者が多く集まるフードエリアに設置されたWELCOMEステージでは、22日のトークプログラムにソーラーシェアリング推進連盟代表の馬上氏も登壇。「ソーラー発電の新しい可能性」をテーマに、みんな電力の大石代表との間でトークセッションを展開した。

「大豆を作りながら電気を売っています!」

との意味深発言?で、まずは来場者の興味を引いた馬上氏、

「日差しを遮って欲しいのは人間だけじゃなく、作物も一緒。強すぎる太陽の光には、植物だってヘタれてしまうんです。だからソーラーパネル(発電)とシェアすることで太陽のエネルギーを有効に活用するわけです」

と、ソーラーシェアリングについてわかりやすく説明。すると、氏の発電所からも電力供給を受けるみんな電力大石氏も

「最近問題になっているような、森林をむやみやたらと切り開いて作るメガソーラーは問題。そもそも(自然と)共生できないソーラー発電所は作るべきではありません。その点ソーラーシェアリングは、農業の復興・活性化にも役に立つ。お話を聞いた瞬間に、ぜひその電力を売ってください!とお願いしました」

と応じた。大石氏は冒頭挨拶で

「野菜のように生産者の顔が見える電気を扱っています。みなさんが必ず支払う電気代、それがコンセントの向こう側のどこに繋がっているかを考えて欲しい。どうせ使うなら、アラブの石油王や石炭発掘会社ではなく、農業を頑張っている人や福島復興支援活動に役立つ方がいいと思いませんか?」

とも語り、頷く来場者も多く見られた。

 

両氏は、その後同日2回目のトークショーにも参加。「日本と世界の太陽光を中津川から語る!」という壮大なテーマで、エクソル鈴木社長、 太陽光発電ムラ 谷口代表らとともに、クロストークを繰り広げた(上の写真はその様子。司会はラジオDJ、ライターとして活躍するジョー横溝氏)。

 

さらなるソーラーシェアリングの拡大に必要な一般へのアピール

トークショーは、場所柄、食事をしながらちょっといい話を聞いてもらう…といったシチュエーションに思えたが、実際には、熱心に耳目を傾ける来場者も多く、予想以上に関心の高さが伺えた。

また、ソーラーシェアリングの展示についても、説明がなければ、単なる構造物として見過ごされているケースも多かったろう。

それだけに、これからのソーラーシェアリング拡大に向けて、こうした音楽イベントに参加するような若い世代にも認知を広め、関心を持ってもらうことは重要であろう。

会場に溢れる太陽光エネルギーのクリーンなサウンドの向こうに、大きな未来への期待も感じられるイベントだった。

 

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