[制度改正のポイント]ソーラーシェアリング 実務用Q&A/Q.01-02 平成30年5月の制度変更について
[制度改正のポイント]
ソーラーシェアリング
実務用Q&A
平成30年5月15日、ソーラーシェアリングに関する農地転用の取扱い規定が変更されました。これは、ソーラーシェアリングにとっては実質的に規制緩和となるものです。
農林水産省では、農地転用許可制度上の取扱いを整理した「営農型発電設備の実務用Q&A(営農型発電設備の設置者向け)」も公開しています。ここでは、そのQ&Aの中からポイントとなる項目を厳選し、事業者の立場から解説します。
●営農型発電設備の実務用Q&A(営農型発電設備の設置者向け)8月31日改定版/農林水産省
[定義]
Q.01
営農型発電設備とはどのような設備ですか?
A.
農地に支柱を立てて、畑や水田の上部に太陽光パネルを設置する太陽光発電設備(ソーラーシェアリング)等のことをいいます。ただし、簡易な構造で容易に撤去できるものに限られます。また、発電設備の下で営農が適切に行われることが絶対条件となります。条件を満たせば、小型風車も営農型発電設備として設置可能です。
[制度の変更点]
Q.02
平成30年5月の通知では、どのような制度変更がありましたか?
A.
営農型発電設備を設置する場合には、支柱の基礎部分の土地について、農地の一時転用許可を得る必要があります。この一時転用許可の期間が、これまでは一律3年以内でしたが、一定の条件(次ページQ3で解説)を満たせば10年以内に延長されることになりました。それ以外の要件(※)については、従来からの変更はありません。
[営農型発電設備の要件]
●営農の適切な継続(収穫量や品質の確保等)が確実であること。
●周辺農地の効率的な利用に支障を及ぼすおそれがないこと。
●発電設備の下部農地で栽培された作物の単収(面積当たりの収穫量)が、地域の同一作物の平均的な単収より2割以上減少していないこと、等。
監修:馬上丈司
illustration:Tomoyuki Okamoto text:Kiminori Hiromachi
(「アースジャーナルvo.6」より転載 ※一部再編集)
[実務用Q&A一覧]
Q.02 [制度の変更点]平成30年5月の通知では、どのような制度変更がありましたか?
Q.03 [一時転用許可の期間]営農型発電設備の設置に際して、 10年の一時転用許可が認められるのはどのようなケースですか?
Q.04 [一時転用許可の期間]10年以内の一時転用許可の対象となる「担い手」とは、 どのような農業者のことですか?
Q.05 [一時転用許可の期間]荒廃農地で営農型発電設備を設置する際には、一時転用許可申請を行う時点で、既に農地として再生し営農が再開されている必要がありますか?
Q.06 [一時転用の再許可]既に一時転用許可を受けて営農型発電設備を設置している場合、許可期間が終了して再度許可を受ける際に10年の許可を受けることは可能ですか?
Q.07 [一時転用の対象範囲]営農型発電設備の設置に際して、支柱以外の発電所として 必要な周辺機器等も、一時転用許可の対象になりますか?
Q.08 [一時転用の対象範囲]FITの事業計画認定では、発電所に対してフェンス等を設置することとされていますが、営農型発電設備にフェンスは必須ですか?
Q.09 [営農の適切な継続]営農型発電設備の下で栽培する農作物に 制限はありますか?
Q.10 [営農の適切な継続]自然災害など、やむを得ない事情で 農作物の単収が2割以上減少した場合はどうなりますか?
Q.11 [一時転用許可申請書]営農型発電設備の設置に際して、まずどこに相談すれば良いですか?
Q.12 [一時転用許可申請書]営農型発電設備の支柱は、平成27年度の通知改正で最低地上高を2m以上確保することとなっていますが、それ以前に高さ2m未満の支柱で設備を設置していた場合は?
Q.13 [添付する書類]一時転用許可申請の際に「下部の農地における営農計画書」には、どのような内容を記載すれば良いですか?
Q.14 [添付する書類]10年以内の一時転用許可の対象となる「担い手」の条件のうち、「効率的かつ安定的な農業経営」に該当することは、どのように証明すれば良いですか?
Q.15 [添付する書類]営農型発電設備の計画地が「荒廃農地」に該当するかは、どのように判断されますか?
Q.16 [営農状況等の報告]下部の農地で生産された作物の報告を行う際に、必要な知見を有する者の確認が必要とされていますが、どのような内容でしょうか?
Q.17 [営農状況等の報告]果樹など単年で年収が得られない農作物の場合、どのような内容を農業委員会に報告すれば良いですか?