ソーラーシェアリング導入Q&A/Q.14 導入後に必要なことは?

始めよう、農業×エネルギー!/ソーラーシェアリング導入Q&A(14)

ソーラーシェアリング、やってみたいけど…… 何から、どう手を付けたらいいか分からない。 農作業のこと、発電設備のこと、お金のこと、 疑問はどんどん湧いてきます。 でも、ご安心ください。 ソーラーシェアリング導入の疑問に答えます!

A.

ソーラーシェアリングは、発電に関しては「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」、農業に関しては「農地の一時転用許可」のためのルールに従って営んでいかなければなりません。それぞれに、ソーラーシェアリング開始後にやるべきことが定められています。

固定価格買取制度においては「発電設備の保守点検」、農地の一時転用許可においては「営農状況の報告」などが必要となります。

 

[発電設備の保守点検]

2017年4月から、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が改正され、太陽光発電設備の保守・点検が義務化されました。ソーラーシェアリングの発電設備も例外ではありません。「適切に点検・保守を行い、発電量の維持に努めること」などが求められています。詳細な点検作業は、発電設備の販売施工会社が行うのが一般的ですが、普段から自分の目で日常点検をしておくと良いでしょう。太陽光パネル・パワーコンディショナー・架台(支柱)・ケーブなどについて、汚れ・傷・破損・欠損・腐食をチェックしておけば、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。

[営農状況の報告]

ソーラーシェアリングを続けるためには、3年ごとに農地の一時転用の再許可を得なければなりません。再許可の条件は、作物の生産に支障がでていないことで、収穫量が周辺の平均値の8割を下回らないことや、品質の著しい劣化がないこととされています。パネル下部の収穫量については、農業委員会に年1回の報告をする義務があります。最終的には、許可にあたって「パネル下部の農地での営農の状況について勘案した上で、総合的な判断」が下されます。まだ、再許可の時期を迎えたところは数えるほどですが、営農報告をしっかりと行っていれば、ほとんど問題なく再許可されているようです。



監修 馬上丈司
text: Kiminori Hiromachi

(「アースジャーナルvo.5」より転載 ※一部再編集)

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